当ページをご覧いただきまして、ありがとうございます。以前より関心のある分野の資料を収集しておりましたが、生活環境の変化のため、大切にしておりました資料を出品しております。最後までお読みいただき、ご検討いただけますと幸いです。
概要：秘伝開放を掲げる大日本茶道学会の伝書です。創設者である田中仙樵の口述に基づき孫の仙翁が編集したもので、仙樵が裏千家十三世圓能斎宗室より皆伝を受けたことから、裏千家では口伝相伝とされている奥秘の点前が公開されています。今回の商品はその内の「丸盆全伝」「長盆台子」の伝書です。以下に内容をご説明致します。
「丸盆全伝々書」：茶道学会では「大丸盆」と呼ばれる大円盆を用いた真行の点前と、「中丸盆」を用いた草の点前が炉・風炉ともに収録されています。特に「大丸盆」の点前は、「真台子に大円盆と唐物茶入、台天目を用いる」真の点前と、「台子を用いず大円盆と台天目で二種類の茶を点てる」行の点前が解説されています。また、「中丸盆」の点前は、「台子を用いず中丸盆に唐物茶入と台天目を取り合わせる」草の点前です。表紙には『丸盆全傳々書』とあるのですが、奥書は『丸盆草行真伝書』となっています。裏千家にも、圓能斎創案の大円盆を用いる「大円草」「大円真」の点前があり、共に「大丸盆行」「大丸盆真」とよく似ていますが、当方では同じ点前か判断しかねますので、画像でご確認下さいますようお願い申し上げます。
「長盆台子伝書」：仙樵が『南方録』に基づいて考案した、真台子に長盆を用いる真行草の三種類の点前が収録されています。全て風炉点前です。また、追記として盆の清め方や拝見の作法が記載されています。「十二伝」の「真之行草」も別名「長盆」と呼ばれますが、その手前と異なる点前であると制定の理由には述べられており、大日本茶道学会特有の点前です。茶道学会では最高秘伝とされています。成立に関しまして、仙樵は裏千家で皆伝を得た後に石州流清水派の野崎兎園氏に師事して皆伝を授かっていることから、台子の「真」に「長盆」、「行」に「丸盆」、「草」に「四方盆」を用いる石州流の影響が見受けられます。また、江戸千家では流祖の川上不白が表千家第七代の如心斎天然宗左より真台子と長盆の台子点前の伝授をもって皆伝を与えられており、長盆の台子点前はかつて表千家に伝来した一子相伝の点前であったと考えられています。
状態：品ですので経年の劣化があり、うっすらと焼けや染みが出ています。画像でお示ししますので、詳細をご確認下さい。本文に書き込みはなく、紙面の状態は良好です。品ですので、状態を十分ご確認いただきました上でのご入札をお願い申し上げます。
大日本茶道学会の伝書ですが、他の流派では口伝相伝とされている内容が文章にされていますので、茶道学会の皆様のみならず、他の流派、特に裏千家の「大円草」「大円真」を修められる皆様、かつて長盆の台子点前が伝来した表千家や江戸千家の皆様、九段の台子を修められる石州流の皆様にもお役立ていただけると思います。
おすすめの商品ですので、ご検討をお願い申し上げます。
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