DENON(デノン)  PMA-500 プリメインアンプ 整備済み 完動品です。入手した動作不良品を整備したものです。1970年代初頭にPMA-300でソリッドステートアンプに本格参入したDENONは、その上級機種として1972年にPMA-500を発売し、たちまちDENONを代表するベストセラー機となりました。価格は75,000円でした。PMA-300と同様500Zにマイナーチェンジされロングセラー機となりました。PMA-300で採用された全段直結純コンプリメンタリー回路を元に基本性能と出力の向上、それにMIC入力、2段階アッテネータ、ヌルバランスなど種々機能が付加されています。出力トランジスタはダーリントン接続された2つのトランジスタを同一のメタルキャンボディの中に収めたモトローラ製が装備されています。出力は8Ω負荷で37W×2です。この時期のDENONのアンプは多くの機種で終段にモトローラ製を搭載していました。信頼性とその音質に魅力があったためだと思います。入力はPHONO1・2、TUNER、AUX1・2、MICの計6系統です。MICはフロントパネルから6mmフォンプラグで接続します。MICは他の入力とミキシングが可能で自らの歌や楽器演奏音をソースに被せることができます。時代を反映した機能かと思います。TAPE入出力とスピーカー出力はそれぞれ2系統です。プリとメインを背面のスイッチで分離できます。PHONOはMM型仕様ですのでMC型は昇圧トランスかヘッドアンプが必要です。なおPHONO2にはリアパネルのコネクタに専用昇圧トランスを接続することでMC型に対応できるようになっていました。この個体にはトランスは付属していません。PMA-500は上級機らしくボンネット上部に木製を採用していますが、シャーシー前方のトーンコントロール部や後方の入力端子部は本体内側できちんと金属板でシールドされています。入手した個体は一応音は出るものの途切れたり歪んだりするという状態でした。半導体やコンデンサの経年劣化に加えてボリュームやスイッチ類の接触不良が原因と想定されました。整備にあたり小信号トランジスタは全て交換しFETも一対交換しました。アルミ電解コンデンサは、電源部の大型ブロックコンデンサを除いて全てをニチコンのオーディオグレードのFine GoldとMuseに交換しました。ボリュームやスイッチ類は洗浄を実施しました。終段保護ヒューズは全交換しました。断線していた電源ランプをLEDに交換しました。DCバランスと終段アイドリング電流調整用半固定抵抗を全て交換し整備後に再調整を行なっています。現在MIC、PHONOを含め正常動作を確認しています。新しい半導体とコンデンサの交換によりフルボリュームにしてもサーノイズは、ほとんど無くなりました。PMA-500は、終段のモトローラトランジスタの暖かみのある艶やかな音色が魅力です。低中音域は厚みがあり、またヴァイオリンの音色にも惹かれます。当時のヤマハやソニーの透明感が際立つ音質とは趣が異なるタイプです。トーンコントロールにはDEFEATスイッチがあり回路をスルーできます。部屋の状況などによりトーコントロールが必要になるかも知れませんが、一旦スルーして加工の無いストレートの音を是非聴いてもらえればと思います。なおミューティングリレーは装備されていませんので電源ON/OFF時に軽微なポップノイズが出ますのでご了解ください。500からマイナーチェンジされた500Zではミューティングリレーが装備されましたがMIC入力は廃止され価格も大幅に上昇しました。豊富な機能を持ちながら中庸な価格であった初代のコストパフォーマンスは大変高いと思います。出品内容は、本体と取説コピーです。実使用に支障はありませんがスピーカーB端子のプラノブが1箇所欠けています。年式からすると外観は概ね美品ですが、完全美品をお探しの方はご遠慮ください。ゆうパックおてがる版120サイズでの発送を予定しています。到着時に動作しない場合を除いてノークレーム、ノーリターンとさせてください。