百人一首画帖  ７枚
  後鳥羽院…人もをし人もうらめしあぢきなく世を思ふゆゑに物思ふ身は  藤原定家…来ぬ人をまつほの浦の夕なぎに焼くや藻塩の身もこがれつつ  紫式部…めぐり逢ひて見しやそれともわかぬ間に雲隠れにし夜半の月かな  和泉式部…あらざらむこの世のほかの思ひ出にいまひとたびの逢ふこともがな  西行法師…嘆けと月やは物を思はするかこち顔なるわが涙かな  藤原家隆…風そよぐならの小川の夕暮はみそぎぞ夏のしるしなりけり  二条院讃岐…わが袖は潮干に見えぬ沖の石の人こそ知らぬ乾く間もなし
  この画帖の歌の書は烏丸光弘。人物画は俵屋宗達である。なぜならこの二人は「西行物語絵巻」を 手がけていて、ここにある西行の顔と全く同一だからである。また光弘の書も同筆。
  経年による黒ずみや沁みあり。  縦２６C、 横１９C。